2010年12月14日火曜日

映画「オーケストラ」(☆五つ)

公開当時評判だったが見逃したフランス映画「オーケストラ(原題 le concert)」がDVD化されたのでレンタル試聴。ソ連のユダヤ人弾圧の余波で首になり、劇場の掃除人をしている天才指揮者が主役。偶然事務所に来たオーケストラ出演依頼のFAXを横取りして、同じく首になった団員を集めて、パリの劇場で公演し大成功するという一寸荒唐無稽の話だが、旧ソ連ならあり得るかと思わせる(にせ楽団の話は実話であったらしい)。前半から中盤までは渡航までのドタバタと、パリでリハーサルもさぼって遊びまわる団員を描き笑わせる。 しかし、後半のチャイコフスキーのバイオリン協奏曲をバックに天才バイオリニストの出生の秘密が明かされる展開では、名曲のメロディーと映像が巧みにシンクロされていて泣けた(年取って涙腺が緩んでいるせいもあるが)。因みにバイオリニストはタランティーノ監督の「イングローリアス・バスター」(これも面白い映画)でパルティザンを演じていたフランスのメラニー・ロラン、細身の知的な美人で日本のバイオリニスト諏訪内晶子を彷彿とさせてはまり役。 久しぶりに見終わって幸福な気分になれた映画で、最高点の五つ星を付けた。年末に今年見た100本以上の映画の私的ベスト3を決める予定だが、間違いなくベスト3には入る予定。

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