2011年5月16日月曜日

憧れの生ハム一本を味わう

1、一日目 荷物到着開封
                                  (約70センチ8kg)

2、三日目ビニールを剥がし
                                        台にセット
     

3、四日目ようやくスライス
                                       して宴会

イタリヤ・スペイン旅行の朝食の定番生ハムは大好物だが、日本ではレストラン以外ではスライスした物しか目にしたことがないので一本丸ごとの入手は難しいと思っていた。
しかし、偶然妻がネットで生ハム一本・生ハム台・専用ナイフ等一式セットで購入できる国内の業者を見つけたので早速購入(一寸高いが夫婦で高級フレンチに一回行くのを我慢すれば済む程度)。
到着したのがスペインのグラナダ製の生ハム、全長約70センチ重さ8キロとドッシリ重い(初孫と同じ位)。 
早速食したいところだが、まずは室温に慣らすために3日間直射日光が当たらない場所に保管(写真1)。  三日目にようやくビニールを剥いで、カビ等の汚れをふき取り付属のオリーブオイルで磨き、生ハム台にセットした(写真2)。  しかし解説書には最低あと一日は待つように書いてあり我慢。  4日目にようやく次男夫婦と一人で住んでいる母もよんで生ハムパーティを実施した。
最初に固い皮を剥ぎ、脂肪をカット(酸化していない白い脂肪はあとで調理に使える)。現れた生ハムを慎重にカットした、専用のナイフがついているため思いのほか簡単に薄くスライスできた。
いくつかレシピを試したが、市販のスライスした生ハムに比べ塩味が薄いので生ハムをそのままで食べるのが一番おいしい食べ方と意見一致(もちろん赤ワインと一緒に)。 尚、カットした脂肪でアスパラガスを炒めたが、非常に美味であった。 6人で30枚以上食べたが、まだ4/5以上残っておりコストパフォーマンスは抜群で、好きな方にはお勧め。

2011年5月7日土曜日

大橋巨泉の美術鑑賞ノート4冊を読む

連休中に図書館でふと手に取った大橋巨泉の美術鑑賞ノート4冊(2冊目から題名は異なる)を読んだ。 JAZZ・競馬・ゴルフ好きで絵には一切関心のなかった彼が、1999年マドリッドのプラド美術館で見た一枚の絵から絵画に没頭。金と暇にあかせて世界中に散らばっている名画を実地で見て書いたのが写真の4冊。ダビンチに始まり、19世紀の印象派で終わるが、20世紀の画家は第五巻で取り上げて完成するそうだ。 読んでいて面白いのは「芸術の評価は時代・風潮・好みによって変わる、僕はそういうものには流されないように努めている」と宣言しているにも拘らず、かなりはっきりと自分の好みを打ち出している点。 ルーベンスは「乳フェチ」レンブラントは「ヒップフェチ」と断定したり、彼の女性の好みはスレンダー小さい胸で、太目・巨乳は嫌いと言い、ルノアールの豊満な女性の絵は暑苦しいと切って捨てている。 印象派についてもルソーは取り上げていない、たくさん見たが基本的に絵が下手というのが外した理由(この点についてはルソーの良さが判らない私も同感)。 
また、二冊目に登場するフェルメールについて、全作品が傑出しているというのは間違いで(もちろん凡庸の画家では書けないが)傑作は十数点だと断定している事。 実は私もフェルメールが好きで図版では全点、実物はルーブル・メトロポリタン・ウイーン美術史美術館で見ているが、本当に傑出しているのは「牛乳をそそぐ女」(日本に貸し出された時鑑賞)まだ実物を見ていない「真珠の耳飾りの少女」「デルフトの眺望」の三点と秘かにに思っていたので全点傑作ではないという見方に頷けた。 時々JAZZの薀蓄を援用したりして脱線するが、その点がむしろ本物の評論家と違って読んでいて飽きない。
 彼の様に「マッチマネー」がないとこれだけの絵画を全部実地で見ることは不可能だが、「サム(乃至リトル)マネー」の範囲で予め見たい絵を決めて、つまみ食い的に美術館で鑑賞する指針として大変参考になった。 妻がすでに友人とオランダに行って見ている大好きなフェルメールの「真珠の首飾りの少女」「デルフトの眺望」を元気なうちに見たいと切実に思ったし、オルセー美術館で見逃したクールベの「世界の起源」(春画?)も見てみたい(それ以外に見たい名画は増えた)。 絵が好きな人にはお勧めの本。