2014年6月9日月曜日

強烈な印象 エゴンシーレ「家族」

中欧旅行中のウィーンのオーストリア美術館(ベルベデーレ宮殿内)で見て、久しぶりに強烈な印象が残った絵がエゴンシーレの「家族」。
この美術館にはクリムトの有名な「抱擁」も同じ室内に展示されていたが、インパクトという点では優に勝った。最晩年(と言っても28歳で死亡)に妊娠中の妻とまだ生まれていない子供を想像して描いた絵だが、実は妻は妊娠中にスペイン風邪で死亡、本人も後を追うように死亡したという背景があると聞くと三者の視線がばらばらで、何かシーレが死の予感を持って描いたようにも感じられる。 ピアソラに「オブリビオン(忘却)」という胸を締め付けられるような切ない曲があるが、絵を観賞して同じような気持ちになった。死後評価されて、彼の他の絵はモネと同額(9億)で落札されたそうだ。
 

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