2012年4月4日水曜日

「幕末太陽伝」は日本映画の傑作だった



BSNHKで「幕末太陽伝」のデジタルリマスター版を鑑賞した。 中学生時代に観てから実に50年振りだが、中学生当時見たときは高杉晋作を石原裕次郎が演じていたことと、落語の「居残り佐平次」からストーリーを取っている結構お面白い映画との印象だった。 しかし50年の時を経て、落語もその後多く聞き、幕末時代を主に司馬遼太郎の小説で知り、映画を数多く見た老練の現在鑑賞すると、日本映画の傑作と言う印象に変わった。 落語ネタとしては「居残り佐平次」のほかに「品川心中」と「らくだ」が使われていることに気がついたが、解説によるとそのほか二つの落語が引用されているようだ。 その落語ネタと、長州藩士による英国大使館焼き討ちの史実を、品川の遊郭という舞台を媒体に実に面白く話をまとめた脚本がまず良い。 映像の方もテンポが良く飽きさせない。蛤御門で自刃する久坂玄瑞を小林旭、井上馨を二谷英明が演じている等配役も興味深かった。当時不治の病だった労咳を病んでいる主人公佐平次(フランキー堺)のどこか悲しいラストの突っ張りの台詞も、映画に陰影を与えている。 まだ未見の映画ファンはリマスター版がDVDで出ているのでレンタル屋さんでどうぞ(ポスターはカラーですが白黒映画です)。

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